●中央手術部

■中央手術室概要
 1966年の創設当時は8室(俗称「3棟」)でしたが,1983年の増築に伴い6室(俗称「4棟」)が追加され計14室となりました。創設当初から手術室は最上階である7階に,外観上は屋根裏に位置しています。「3棟」と「4棟」はL字型の配置で,清潔区域に属する廊下で連絡されています。医師休憩室,看護師休憩室はともに6階に存在し,そこから大和平野を囲む山々の、四季折々の風景を見ることができます。まさに『やまとは くにのまほろば たたなづく あおがき やまごもれる やまとし うるわし』(倭建命)と万葉集に歌われた眺望です。

手術室数 14室(15ベッド)
(うちバイオクリーンルーム1室)
年間手術件数 約6300件(2004年)


●スタッフ
 
部長 1、副部長 1、看護師長 1、看護主任 2、看護師 40、補助員 11、
 臨床工学士 1(専任)・5(兼任)、臨床検査技師 2(兼任)
■設備

 バイオクリーンルーム1室、眼科用顕微鏡手術機器3台、脳神経外科(脳外科)専用顕微鏡手術機器1台、耳鼻科、形成外科、脳外科共用顕微鏡手術機器2台をはじめ、内視鏡外科手術機器(腹部一般外科、呼吸器外科、泌尿器科、婦人科、整形外科、耳鼻科)8セット、超音波切開凝固装置5台、超音波吸引破砕装置2台、マイクロターゼ凝固装置1台、固定式および移動式CアームX線透視撮影装置計4台を揃えているほか、滅菌装置としては、中央材料室に備え付けのEOGガス滅菌装置、オートクレーブ装置をメインに、手術棟内にステラッド100を2台、フラッシュ滅菌器4台を配置するなど、他にも多くのME機器を擁しています。

■手術安全対策

 手術を受けられる患者様の安全のために、深部静脈血栓症(DVT)のリスクの高い場合に使用するDVT予防装置を31台備え付けています。 術中皮膚障害の予防のための、褥瘡予防のためのマットレスの充実、電気メスなど手術用機器の点検などにも留意しています。
 
また、前述のように、各種滅菌装置をそろえて、手術部としての滅菌の保証を心がけていますが、実際の術後感染症(SSI、surgical site infection)に対する関心を強く持っており、院内感染対策委員会の指導の下に、重点的な感染サーベイランスも行っています。

■画像ファイリング
 1999年頃より静止画像のファイリングを始め、手術室の財産ともいえる術中写真画像を中央管理し、各科の要望に応じて資料としての提供を行っています。なお、2005年4月1日施行の個人情報保護法に対処するように、外部に対してのみならず内部においてもセキュリティー対策を講じています。
■術前・術後訪問について

 当手術室では、事前のカルテからの情報収集に加え緊急手術以外の全身麻酔、腰椎麻酔、局所麻酔を受ける全ての入院患者様に術前訪問を実施しています。また、対象を限定してはいるものの、訪問用紙にそって術後訪問も行っています。術前訪問での情報収集でリスク低減を図り、さらに術後訪問によって手術による身体的・精神的ダメージの状況を評価することは継続看護の充実に繋がる大切な看護業務と考えています。

■スタッフ・新人教育について

 手術部では2004年2月よりチーム体制を導入しています。チーム体制の目的は、問題を自分たちで見出して解決方法を考える、自立する看護師集団を育てることにあります。現在はA・B・C・Dの4チームがあり、メンバーは9〜10名で様々な経験年数のスタッフで構成されています。各チームにリーダー、サブリーダーを設けています。リーダー会を開いて問題解決の方向を探り、それを手術部全体の改善に繋げるという活動を行なっています。そして、その活動を通してリーダーシップ及び、チーム全体のモチベーションの向上を目指しています。また、週1回、チームでカンファレンスを行い、チームメンバーがよりよい手術看護を目指すために積極的に意見を出し合う場も設けています。自らの役割を果たしながら行動に移し、実施することにより、看護師のキャリア開発の機会にもなっています。
 新人教育に関しても新人と同じチームの中から担当のプリセプターを決めて一年間指導しています。プリセプターは主に3年目のスタッフが担当しています。手術につく際もプリセプターを中心として、同じチームのスタッフがつくようにしています。チーム内で新人を育てるという一貫した指導で臨床実践能力のレベルアップを目指しています。手術を受ける患者様の安全を守り高度な医療を推進するために、手術室スタッフは日夜、研鑚に努めています。

■手術室内環境

 手術室内環境の整備は、SSI感染対策の上からもきわめて重要です、看護師が看護師の業務に専念し、質の高い手術室看護が可能となることを目的として、昨年より、手術室内清掃の外部委託を開始しました。試行錯誤の点もありますが、初期の目的どおりの効果が出ているように思います。

■ あとがき

 中央手術室は、外科医と麻酔医と手術室看護師が緊密な連携の下に、手術を安全に完了させることの要求される場所です。一つ一つの手術に限られた人数で携わり、最大限の安全を患者様に提供しなければならないという点で、一人一人の力量の高さがきわめて大切です。立場、持ち場に応じた役割をきっちりこなしていくことは当然です。その上で、より良い手術室看護を提供できるよう、日々の真剣、かつ妥協のない取り組みが要求される、厳しい部門だと思います。
 
とは言うものの、やはり和やかな雰囲気の中で、患者様に心から安心して手術を受けていただくことも大切で、そのためには、「患者様にやさしい医療を」という視点も、決して忘れてはならないことです。

 (手術部長)