| ■ 特色 |
・病院の理念に基づき、プライバシーを重視した全人的医療を心がけています。
・外来は2−3診で担当医は産婦人科すべての領域に対応できるようにしています。
・また再診の方には予約をとっていただき、外来待ち時間の短縮に努めています。
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■ 概要
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産婦人科の病床は61床で産科病棟と婦人科病棟に別れています。年間約700例の分娩と約500例の手術を行っています。そのうち子宮癌手術は約35例、単純子宮全摘手術(腹式、膣式)は約180例、子宮脱根治手術は約25例に行っています。
以下に代表的な婦人科疾患についての説明と当院における治療方針について説明いたします。受診時の参考にしていただければと思います。
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■ 代表的な婦人科疾患
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■子宮筋腫
子宮筋腫の三大症状は、生理の多い月経過多症、生理痛のきつい月経困難症、子供の出来にくい不妊症です。これらの症状が強くなく、子宮の大きさが握り拳以下(正常子宮は鶏の卵大)で、貧血もなく、子宮頚部、体部の細胞診が正常で、子宮肉腫が疑われる腫瘍マーカーも正常で、MRIの画像診断でも悪性所見等の疑いがなければ、手術をしないで、3-6ヵ月毎に診察をして経過をみています。挙児希望があり、子宮を残したい方は子宮筋腫だけをくりぬく筋腫核出術を勧めています。しかしこの手術は不完全手術で、筋腫の全部は取り切れません。筋腫は小さいものも入れれば、無数にあり、手術後に残っていた筋腫がまた大きくなることがあります。子宮筋腫の完全な治療は、筋腫は良性でありますが、子宮全摘が必要です。子宮筋腫は、閉経期を迎えるとそれ以上大きくならず、むしろ小さくなります。閉経したのに筋腫が大きくなるようでしたら、子宮肉腫も疑われ、手術をした方がいいと考えています。子宮筋腫の治療として、最近ホルモン療法が注目されています。これは閉経期を迎えると筋腫は小さくなるという現象を逆に利用した治療法です。身体を人工的に閉経期の状態に半年間ほどする治療法です(偽閉経療法)。毎日鼻にお薬を噴霧したり、あるいは4週間毎に注射をします。しかし治療中は筋腫が小さくなっても、止めればまた大きくなり、効果は一時的と言わなければなりません。閉経期に近い人なら、この治療を繰り返していくあいだに閉経期をむかえれば、手術をしないで治療を終わることができます。
■子宮頚癌、子宮体癌
まず最初にお勧めするのは子宮癌検診を受けることです。子宮癌検診を受けておられる方をみていますと、癌がみつからなくても、子宮筋腫、卵巣腫瘍、その他の婦人科疾患がみつかることがよくあります。また、細胞診で異常を指摘されることも時々あり、精密検査をすることにより初期の子宮癌が発見され、治療によりほとんど完治します。しかし症状が出てからでは、進行癌でみつかることが多いようです。奈良県は全国的にも検診率の悪い県で、検診を受ける人は毎年受け、受けない人は一度も受けないというのが実情で、年をとったら検診なんかは受けなくてもよいとお考えの方が多いようです。子宮癌検診を少なくとも年に一度は、理想的には半年に一度受けるようお勧めします。
子宮頚癌は、病気の進み具合で0期から4期に分類されます。0期と1期の初期では筋腫の時と同じ単純子宮全摘を行います。検診でこの時期までに見つければほぼ完治できます。将来妊娠を希望されるなどの理由で子宮を残したい方で、病巣範囲が狭い場合には子宮頚部円錐切除に留めることも出来ます。これ以上の1期と2期では、広汎性子宮全摘術を行い、必要があれば、術後に放射線療法や抗癌剤による化学療法を行います。3期は、手術不能で、放射線療法や化学療法を行い、効果が出れば、手術を行うこともあります。4期では、放射線療法や化学療法を行います。
子宮体癌は最近増加しています。子宮体癌も0期から4期に分類されます。0期では単純子宮全摘を行い、子宮頚部に癌が及んでいない1期では準広汎性子宮全摘術を、頚部に及んでいる2期、3期では広汎性子宮全摘術を行い、必要があれば術後に放射線治療や化学療法を行います。4期では放射線治療や化学療法を行います。
■卵巣腫瘍
良性の腫瘍には、卵巣嚢腫と呼ばれる液体を含んだ腫瘍があります。治療は手術になりますが、術前に良性の診断のほぼ確定した方では、腹腔鏡下手術の可能な方もありますが、開腹術になることもあります。子宮内膜症によるチョコレート嚢胞では、子宮筋腫のところで説明した偽閉経療法も行うことがあります。
卵巣癌は治療の難しい疾患で、手術と抗癌剤による化学療法等を組み合わせた治療が必要になります。多くの場合まず手術を行い、摘出した腫瘍組織を培養してどの抗癌剤がより効果があるか抗癌剤の感受性検査をします。その結果に基づいて術後に数カ月かけて化学療法を行います。卵巣癌は検診で見つけない限り、進行癌の状態で見つかることが多く、早期の発見のためにも子宮癌検診の大切な意味があります。卵巣癌の化学療法は有効なことが多く、頑張って受けて頂きたいと思っています。
■子宮内膜症
予宮内膜は、正常では子宮内面にしかありません。この子宮内面にある内膜がはげ落ちる現象が月経です。子宮内膜症とは、本来ないはずの場所に子宮内膜があり、そこで出血を起こすために現れる病気です。この病気を閉経期以前に完全に治すことはできません。子宮内膜症は妊娠するとよくなります。最近この病気が増えてきたのには、時代による女性の生活スタイルの変化があります。昔は若くして結婚し、何人もの子供を生む人が多くおられました。そのような場合には子宮内膜症ができかかっても妊娠で治り、またできそうになると次の妊娠がくるというわけです。現代では結婚が遅くなり、少子化が進み、妊娠回数が減少してきたことで、子宮内膜症が多くなったと考えられています。症状は、生理痛が強く、月経時以外にも下腹痛、腰痛に悩まされ、性交痛、排便痛のあることもあります。閉経期を迎え、排卵がなくなると、この病気は治ります。治療は、筋腫の時と同じで、まず偽閉経療法です。卵巣の予宮内膜症であるチョコレート嚢胞があれば、腹腔鏡下手術や開腹術をすることもあります。
■子宮脱
膣から何かものが出てきた感じがして、外陰部にものが挟まれた状態になり、子宮全部が脱出してきて、尿がでにくくなることがあります。子宮脱には、膀胱や直腸が子宮と一緒に下がってくることがあります。子宮脱も程度により症状は様々ですが、症状が強い場合は手術が必要です。症状が軽いときには膣に丸いリング(ペッサリー)を入れて、脱出している子宮や膀胱を上に固定することが出来、症状がなくなる方もあります。手術は、膣から行い、子宮を摘出し、脱出している膀胱、直腸を縫い縮めます。
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| ■ 産科 |
産科外来では、妊娠10週頃のエコー検査で最終月経で算出した分娩予定日を修正し、まず正しい予定日を確定してから妊婦健診を始めます。妊娠中にはクラミジア、B群溶連菌検査を行い、陽性者には充分な治療をして、胎児への感染を予防します。妊婦健診は23週までは月に1度、24-35週は2週に1度、36週--分娩は毎週行いますが、異常のある時は、適宜対応します。赤ちゃんはいい時期に産んであげないといけません。未熟児で産むと、一生ハンディキャップを背負わせることもあり、早産予防の管理には特に注意を払っています。通常の妊婦健診でもエコー等で胎児を観察しますが、28-30週の希望者に、少し時間をかけて胎児スクリーニングエコーも行っています。合併症のある妊娠では、院内各科の専門医の協力を得て、万全の管理をします。出産に当たっては小児科と密接に連携し、未熟児出産や異常分娩時には原則として小児科医が立ち会い、必要時に小児科管理で治療を開始します。合併症妊娠、骨盤位、前回帝王切開などには、帝王切開をしなければならない例もあり、年間100例ほどに行っています。年間の分娩数は約700例です。分娩はできるだけ自然に経過をみるようにしています。
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