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■ 特色

 当院独自の宗教理念に基づきながら広く門戸を開き、地域医療のみでなく全国から高度な医療を求めて来院される患者さんを数多く受け入れています。最新の医療機器が導入されているばかりでなく、脳・神経疾患には欠くことのできない神経機能検査室に優秀な臨床検査技師を擁し、顕微鏡下手術を中心に血管内手術や放射線治療等を組み合わせ、低侵襲で安全な治療を実践しています。神経内科医、放射線科医など他科の医師とも緊密に連絡をとりながら医療技術面で最高の治療を受けて頂けるよう、そして当院事情部講師の方々とともに心身両面に対して全人的な最高の医療環境が得られるように全スタッフが一丸となって診療にあたっております。

■ 概要

 脳神経外科専属の医師は6名で、2008年一年間の入院患者数は642人、総手術件数は603件でした。近年、脳神経外科の疾患、特にくも膜下出血、脳出血、脳梗塞に代表される脳卒中(脳血管障害)は増加傾向にあり、その治療においては、早期診断、早期治療が何よりも重要です。

★以前より脳腫瘍の症例が多く、100例程度を占めるのが特徴です。脳腫瘍の手術が、他の部位の腫瘍の手術と違う点は、正常脳組織を切除すると大きな後遺症を残すため、安全域を持って広範囲に切除することができないことです。このため、顕微鏡下手術により、術中神経機能モニター、ナビゲーションシステム、術中エコーなどを併用し、正常組織を損傷することなく安全かつ迅速な腫瘍の摘出をめざしています。また,症例におおじて覚醒下手術も行っています。血行が豊富な腫瘍に対しては、手術中の出血を減らすために、摘出手術前に、血管内手術にて腫瘍の栄養動脈の塞栓術を施行しており、手術時に輸血が必要となることはほとんどありません。手術だけで完治が困難な腫瘍に対しては、手術後に放射線治療と免疫・化学治療を併用した集学的治療を行っています。

★脳卒中(脳血管障害)の症例も増加傾向にあり、手術症例は、200例を超えています。早期診断、早期治療により、救命するだけでなく、後遺症をできるだけ減らすことを目標に治療を行っています。早期診断,早期治療を行うため,脳卒中患者さんの24時間受け入れを行っています。くも膜下出血に対しては、出血源である破裂脳動脈瘤に対して、再破裂防止のために急性期手術を行っています。脳血管攣縮時には、バルビツレート昏睡療法、低体温療法などの全身管理、内科的治療に加え、血管内手術による血管拡張剤の動脈内注入、バルーンによる血管拡張術を施行しています。また、脳ドックなどにより、未破裂脳動脈瘤の早期発見を行い、くも膜下出血を起こす前にクリッピング術(顕微鏡下手術)とコイル塞栓術(血管内手術)を併用して、根治的治療を行なう症例が増えつつあります。脳出血は、内科的治療に加え、顕微鏡下手術あるいは定位脳手術による血腫除去術を行っています。脳梗塞に対しても、顕微鏡下手術と血管内手術を組み合わせて、頭蓋内外動脈の閉塞・狭窄性病変に対して、神経症状改善や発生の予防を目指して、超急性期血栓溶解療法、血行再建術などを積極的に行っています。

★変形脊椎症、後縦靭帯骨化症、椎間板ヘルニアなどの脊椎疾患に対する外科手術も積極的に行っています。臨床症状と画像所見、神経機能検査結果を総合的に判断し手術適応を厳格に決めた上で、SEP,MEPなどの神経機能モニタリングの併用により低侵襲な手術を行い、できるだけ早期の離床を目指して治療を行っています。

★顔面痙攣や三叉神経痛などの機能的疾患は、多くの場合手術にて改善させることが可能です。これら疾患に対しても積極的に外科治療を施行しており、良好な成績をおさめています。

★手根管症候群や肘部管症候群などの末梢神経障害に対しても、臨床症状と電気生理学的検査結果を踏まえ外科治療を行っています。

★もやもや病(ウィリス動脈燐閉塞症)は、頭蓋内の主幹動脈が徐々に細くなる原因不明の病気です。この病気の発症年齢は、小児期と成人期後に二つのピークがあります。成人例では、その約半数が脳虚血(脳の血が足りないための症状)、残りの半数が脳出血で発症します。脳出血は、側副血行路として脳に血を送っている血管(もやもや血管)に負担がかかることにより出血するのだと考えられています。治療として出血発症例に対しては、もやもや血管の負担を軽くして、出血しにくい状態を作るためにバイパス術が行われて来ましたが、統計学的にその有効性は実証されていません。そこで、現在、厚生労働省特定疾患対策研究事業の一環としてJapan Adult Moyamoya Trialが行われています。この研究は、出血発症成人もやもや病に対するバイパス手術の効果を科学的根拠に基づいて解明するための、他施設共同研究です。この研究には、全国で23の施設が参加していますが、当院もその一つとして参加しています。

後期研修プログラム
 当院の後期研修プログラムでは、脳神経外科認定専門医の修得に必要な専門的知識、技術を身につけることを目標としています。

 当院は、奈良県の基幹病院の一つであり、いろいろな症例の治療を幅広く行っています。症例数は年々増加傾向にあり、2008年の総手術件数は603件でした。手術に際しては、神経モニタリング、ナビゲーションシステム、術中エコー、血流ドップラー,神経内視鏡などを積極的に用いることにより、安全で確実な手術を目指しています。

 市中病院としては脳腫瘍の症例が多く、症例数は102件で、悪性脳腫瘍に対しては、放射線治療、化学療法を併用した集約的治療を行っています。また、 24時間態勢で救急症例の受け入れを開始し、脳血管障害、頭部外傷も年々増加しています。手術件数としては、脳動脈瘤103件、脳内出血31件、血行再建術62件、外傷47件でした。脊椎脊髄疾患、手根管症候群などの末梢神経疾患、てんかん、顔面痙攣などの機能的脳神経疾患の治療も積極的に行っています。

  治療手段としては、顕微鏡下手術だけでなく、血管内治療(115件)、内視鏡下手術(21件)、定位放射線治療(41件)も行っています。

 以上のように、脳神経外科疾患全般に渡り、豊富で幅広い症例に対して種々の治療法を行っており、研修終了時までに専門医修得に必要な症例を充分経験できることが当院の特徴です。

 また、顕微鏡下手術の技術を取得するには、トレーニングが重要です。当科では、ラットによる手術訓練のための設備、手術用顕微鏡も完備しており、研修中に確実に顕微鏡下手術の基本手技が獲得できます。

 研修の実際においては、最初に2ヶ月間、総合内科で研修、他領域の疾患、全身管理を修得し、その後、脳外科領域の専門疾患を指導医の指導のもと研修します。具体的な到達目標は以下の通りです。

3年目 穿頭術、開頭、閉頭時における術者。
4年目 複雑な開頭術、頭部外傷手術の術者。
5年目 脳内血腫、脊椎手術の術者。
6年目 動脈瘤クリッピング、STA-MCA吻合術、内頚動脈内膜剥離術の術者。

研修終了後は当院での臨床研修の続行、大学院進学(京都大学)、京都大学関連病院での研修等柔軟に対応しています。

応募資格 :平成21年3月前期研修終了予定者
採用予定人数 :若干名
応募締め切り :未定(10月頃予定)
応募連絡先 :人事課(内線8583)
お問い合わせ先 :脳神経外科 時女知生 tokime@tenriyorozu-hp.or.jp


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